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2005年12月08日

●AMDの65nmプロセスの情報、出揃う

各メディア系サイトからAMDの次期65nm世代の技術的な情報が出てきた。

…一応、補足しておくと65nmと言う数字はトランジスタの大きさを指す。
厳密にはトランジスタその物ではなく、間の大きさ、と言った方が良いかも知れない。
ゲート長、とも言われる事が多い。
ちなみに1000nmで1μm、1000μmで1mmとなっている。
その小ささはもはや電子顕微鏡で無いと見れないのは言うまでもないかな…。

現在のCPUの殆どは90nmを採用したプロセスで生産されている。
一昔前のCPUだと130nmを採用している。
この130だの90だのの数字が、小さくなればなるほど良くなる。
何が良くなるかと言われれば、微細化が進むとトランジスタが小さくなるので
同じ面積により多くのトランジスタが積めるようになるからである。
他にもリーク(雨漏り)電流が少なくなるので消費電力が下がると言ったメリットがあるそうで。
…同じ素材を使った時、と言うお話しだけど。(微細化の失敗例:プレスコtt


そんな、CPUの微細化のお話しも終に65nmな世界に入ってきたようで。
インプレス内のPCwatchの記事では軽く以下のように触れられている。

両社が共同開発した65nmプロセス技術は、SOI(Silicon-On-Insulator)ウェハ上で、
Dual Stress LinerおよびStress Memorization技術と呼ばれる歪み技術を用い、
シリコン素材にembeddedシリコンゲルマニウム(e-SiGe)を使用。
 これにより、歪み技術を用いないチップに対して、消費電力と発熱を抑えつつ、
40%のトランジスタ性能向上を実現した。また、このプロセス技術では、
lower-kと呼ばれる低誘電層間絶縁膜も採用されている。

今回もAMDとIBMが共同開発を行った模様。
現在のAMDのCPUはIBMと共同開発したSOIと言う技術を使って90nmで製造されている。

PCwebでは更に詳しく、具体的な技術にまで触れられている。
IEDM 2005 - AMDら、4つの歪シリコン技術を統合し、高性能を確認

最近はINTEL筋の情報だけが流れてきていたところにAMDの心強い技術進展のお話が。
これから先、こうして切磋琢磨していくCPU業界こそが消費者としても望ましい形だと思う。
INTELの一人勝ちと言うか独占された市場では中々、技術の進歩は望めるはずもない。
価格も一方的に釣り上げられるのは目に見えているし。

ちなみに今回のAMDの65nmのCPUIだが、結構早く目に掛ける事ができるかもしれない。
AMDは65nmのプロセスでシュリンク(縮小)させた現行製品を出荷する予定があるそうだ。
ただし、早くとは言っても来年の後半くらいと言うお話しだけど。

その頃は次世代プラットフォームが出てきてるのかなー…?
まぁ…自分はその65nmの製品に期待しています。
プラットフォーム毎に乗り換えていたらお金が足りない…。orz

何かトランジスタと書いておきながら途中からコンデンサとか書いちゃってるみたいで。
キャパシタが何で縮小されなければいけないのだろう…。
指摘してくれたcha-ni氏THX。